オステオパシーについてAbout Osteopathy
●オステオパシー
オステオパシーは1874年6月22日にアメリカのアンドリュー・テイラー・スティルによって創始され発表された徒手医学療法です。
日本には1900年頃に伝わったと言われています。
オステオパシーと命名されたのは1885年であり、オステオンとパソスの2つのギリシャ語から作成されました。
オステオパシーは、骨格、筋肉、筋膜、内臓、頭蓋など身体全体の構造と機能を調整することで、身体の歪みを取り除き、全身のバランスを整え、身体が本来持っている治癒の力である、自然治癒力を最大限に引き出すことによって、健康に導く徒手療法です。
健康な身体を保つためには、自然治癒力が正常に機能することが重要とされています。様々なことにより、自律神経のバランスが崩れると、自然治癒力の働きを阻害してしまい、様々な症状や病気を引き起こす原因にもなります。
オステオパシーにより、自然治癒力を高め、全身のバランスを整えることは、症状の回復のみならず、健康維持・増進にも効果を発揮します。
オステオパシーについて創始者であるA.T.スティルは、次のような言葉を残しています。
「オステオパシーは私にとって非常に神聖な科学である。神聖であることの理由は、それが全て自然を経由した癒しの力だからである。」
オステオパシーの哲学
オステオパシーの創始者である、A.T.スティルは、身体の異常な構造は体循環に悪影響を及ぼすと考えました。特に背骨に問題があると、正常な神経伝達や内分泌、体液循環(血液、リンパ液、脳脊髄液)が阻害されます。これは筋力や骨だけでなく、体内循環や免疫力低下、内臓機能低下などの形で、身体の全器官に深刻な影響を与えます。
オステオパシーの治療は、単に背骨だけでなく、身体のあらゆる部分を対象とします。人間は体(Body)、心(Mind)、魂(Spirit)の三位一体の存在であり、オステオパシーでは人間全体を機能単位として捉えます。
身体は1つの動的機能ユニットである。
構造と機能は互いに関係する。
身体は自己調節するメカニズムを備えている。
身体は自らを防御し、自らを修復するように、固有の能力(自然治癒力)を持ち合わせている。
正常な適応性が混乱するとき、もしくは環境の変化がセルフ・メンテナンス能力に打ち勝つときには、病気が続いて起こる。
身体の液体の動きが健康の維持に不可欠である。
神経は、身体の液体をコントロールすることについて重要な役割を果たす。
体性コンポーネントは病気とその徴候だけでなく、病的状態へのメンテナンスに貢献している。
AOAオステオパシー哲学声明
我々の身体は非常に緊密に連携し合った相関関係を持ちながら自己調節機能が働いている。これらの総合的に関係し合っているネットワークの質が身体の健康状態を徹底し、また病気に打ち勝つ能力も病気を予防する能力に関係する。
オステオパシーの施療
手技によって矯正し、正常に戻すことで、体内に本来備わっている防衛力を回復させ、自然治癒力を十分に働かせることができるようになるのです。
人間の身体には、いくつものリズムを持った動きがあります。全ての動きが密接に関連して、身体の恒常性(ホメオスタシス)を保とうとしています。ホメオスタシスこそが自然治癒力を発動させるもとであるのです。
オステオパシーは、健全にシンクロし、身体内のリージョン(病変)を回復改善させ、身体の持つリズムと可動性を正常化します。それに伴い、痛みなどの症状が回復します。
オステオパシーの施療方法は、特に自律神経系バランスを回復させることを目指しています。そして動脈、静脈、リンパの機能を高め、筋機能及び膜組織からの生体力学的ストレスパターンを緩和して、それらの可動機能を最適化します。
A.T.スティルは以下のような言葉を残しています。
身体中の様々な神経、体液、筋膜を適切に保つ必要があり、この知識に基づいて患者の健康を回復するために神経、体液の経路が正常に働くように治療しなければならない。
オステオパスの仕事は健康(健全)を見つけて動かすことです。
オステオパシーには、様々な考え方、アプローチ、系統、モデル、テクニックが存在します。
オステオパシーのアプローチ
バイオメカニカル・アプローチ
バイオダイナミクス・アプローチ
オステオパシーの系統
トラディショナル・オステオパシー
クラシカル・オステオパシー
モダン・オステオパシー
オステオパシーの領域
筋骨格
内臓
頭蓋
オステオパシーのモデル
生体力学的モデル
神経学的モデル
呼吸循環的モデル
生体エネルギー的モデル
心理行動的モデル
オステオパシーのテクニック
筋膜リリーステクニック
軟部組織テクニック
ファンクショナルテクニック
ストレイン・カウンターストレイン(SCS)
マッスルエナジーテクニック(MET)
高速スラスト(HVLA、HVT)
バランスリガメンタステンション(BLT)
バランスメンバノーステンション(BMT)
ジェネラルオステオパシックトリートメント(GOT)
スペシフィックアジャスティングテクニック(SAT)